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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)


「……さくっ────…」


「っ……別にっ……キスだけで満足とか……言ってないしっ…」


「────…なる…ほ…ど……?」




意図も簡単に最後のスイッチを入れられて、俺はキスに応えた。



………こいつ…自分の言ってる意味分かってるんだろうな?


そんなことを言われたら、男として止めるわけにはいかない。


あとで文句は言わせねぇ。



桜を抱えたまま立ち上がると、隅のソファーになだれ込むようにして桜を押し倒した。



「あっ……」

「……開店遅れるだろうから…お前ちゃんと客に謝れよ」

「……なんで私のせいなっ…んっ……」



いや、お前のせいだろ。



首筋に舌を這わせながら、桜のシャツの下に手を潜らせる。


細い腰。


少しだけ肉付きが良くなってきたのは、俺の作った飯を食うようになってからだ。


そんな小さな事に喜んでるってことは絶対にこいつには言わない。




「………店でって……何となく興奮すんな」


「っ……へんたいっ」


「お前に言われたくねぇよ」


「わ、私別に変態じゃないっ…!」




抗議しながらも、抵抗してこない桜の服をスルスルと脱がせていく。


髪が邪魔になって、ふぅと息を吐きながら髪をかきあげて、桜を見下ろす。


俺のシャツをシワになりそうなほど強く掴んできた桜はまたジッと俺の唇を見つめている。


………キリねぇな…。



「ホントお前、タチ悪い」


「っ………?」



少し諦めたようにそう呟いて、俺はキョトンとしている桜の唇を荒々しく塞いだ。


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