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◇なななの短編◇
第15章 いい加減彼氏にしてください


精悍な顔が、とろけているのがあまりにもかわいいので、キュンと胸がなるのを感じた。




「……いつになったら…挿れていいんですか…っ………」



「彼氏でもないのに…エッチできないでしょ…?」



「こんなエロいこと……してるのに……?」




谷川くんのいう通り。



もはやここまでしておいて、っていうのはある。



けど……





「ていうか…彼氏じゃないといけないなら、彼氏にして下さいっ…」




正直、別にそれでもいいのが本音だけれども、それでこの懸命な谷川くんが見れなくなってしまうのは、すごく惜しい。



それは私の少し歪んだ性癖なのかもしれない。




「彼氏には…できない」



「どうしてですか…」




涙目になっているのがかわいくて、胸がときめく。



「ごめんね」と言いながら頭を撫でると谷川くんは少し嬉しそうに、でもやはり不服そうな顔をしていた。




次は……どうしようか。




彼のもっと焦る表情がみれるのであれば、何をしてもいいと思っている。



制服を正し席を立つと、谷川くんは私の手首を掴んだ。




「誰かのものになったりしないでください…」



「……それは…約束できない」
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