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◇なななの短編◇
第1章 有川商事より読者様へお願い
「気持ち悪いセリフを吐きやがって!!

人の女に触るなっ!!!」


「光瑠さんっ、痛いってばっ!!」



グググと強まる腕の力。



真希は必死で光瑠に力を弱めるように懇願する。



「ふっ……

僕は机から足を下ろしていただきたかっただけです。

作戦が成功したようで何よりです。」



要は優雅にそう言ってのけ、イスを元の位置に戻して、いつもの場所に腰を下ろした。



「~~~~~~!!!」



苛立ちは最高潮。


余裕のない光瑠に


余裕たっぷりの要。



対称的な二人の様子を真希はハラハラとしながら眺めていた。


サラリと黒髪がなびいて、要が足を組みながら真希を見つめた。



「あ、真希さん、かわいいというのは本当ですよ。」

パチッとウインクをしながら、要が言った。



その爽やかな様子に
真希は不覚にも胸をドキッとさせる。



「あぁっ!腹が立つっ!!!!!!」



「ひゃぁっ!」


光瑠は大きな声で怒鳴ると真希の肩を掴んで顔を近付けた。


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