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◇なななの短編◇
第4章 2013年2月9日(近くて遠い)
─────────…
唖然としたまま言い返せずに固まる二人をすり抜けて、真希は隼人に駆け寄った。
「隼人…っ」
ギュッと抱き締められて、隼人は得意気な顔をしながら、真希の背中に腕を回す。
光瑠も要も…
お互いよりもさらに手強いライバルであるその小さな少年をじっと見つめた。
勝てない…
多分…一生…
「「 はぁ… 」」
同時に白いため息をついた二人は肩を落として互いに顔を見合わせた。
情けない…
微かに聞こえる真希の「隼人大好きっ…」、「やっぱり隼人が一番いい子っ…」だの言葉が余計に二人の虚しさを助長させる。
「関根…」
服についた雪を払いながら、光瑠が呟いた。
「なんでしょう…」
「………うちに今日開けようと思っていたワインがあるんだが…」
「……なるほど…」
再び顔を見合わせた二人は無言でクルリと家の方に身体を向けた。
「真希…先に戻ってる」
「あ、はーい」
気軽な返事にまたも二人は大きくため息をついていた。
唖然としたまま言い返せずに固まる二人をすり抜けて、真希は隼人に駆け寄った。
「隼人…っ」
ギュッと抱き締められて、隼人は得意気な顔をしながら、真希の背中に腕を回す。
光瑠も要も…
お互いよりもさらに手強いライバルであるその小さな少年をじっと見つめた。
勝てない…
多分…一生…
「「 はぁ… 」」
同時に白いため息をついた二人は肩を落として互いに顔を見合わせた。
情けない…
微かに聞こえる真希の「隼人大好きっ…」、「やっぱり隼人が一番いい子っ…」だの言葉が余計に二人の虚しさを助長させる。
「関根…」
服についた雪を払いながら、光瑠が呟いた。
「なんでしょう…」
「………うちに今日開けようと思っていたワインがあるんだが…」
「……なるほど…」
再び顔を見合わせた二人は無言でクルリと家の方に身体を向けた。
「真希…先に戻ってる」
「あ、はーい」
気軽な返事にまたも二人は大きくため息をついていた。