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◇なななの短編◇
第1章 有川商事より読者様へお願い
光瑠はつい緩みそうになった口をぎゅっと引き結んで目だけ上を向いた。
「私、そんな光瑠さんが不安になるようなことしてませんよっ…」
くごもる真希の声。
有川光瑠、デレスイッチオン──の瞬間である。
「ん…んん…まぁ…
そうだがっ…」
そう言いながら、光瑠は真希の長い髪を愛しげに撫でた。
「もぉ…」
真希は光瑠から少し離れると、また上目遣いでじっと光瑠を見つめた。
甘い雰囲気が流れ始めたその瞬間。
ドンッ!
と激しい音がなって真希と光瑠は身体をびくつかせた。
「全く!
あなたたちはもう少し僕に配慮すべきだ!」
机にはまたさっきとは別の長い足が乗っている。
普段は怒らない要が少し強めにそう発すると、真希は我に返ったように慌てて光瑠から離れて、すみませんと要に頭を下げた。
「真希さん!
僕が妬いてないと思ったら大間違いだ!」
要が少しきつめな口調でそういうと、光瑠は、ニヤリと口角を上げ得意気な顔をして要を見つめた。
「ごっ…ごめんなさいっ…」
いつもと違うイライラとした要の雰囲気に真希はオロオロとしながら、席に座る。
「はぁっ…!遅れてしまって申し訳ありませんでしたぁっ!」
部屋の空気が変わったその時、酒田が勢いよく扉を開いて肩で息をしながら頭を下げた。
七三に撫で付けられた髪型は健在である。
「私、そんな光瑠さんが不安になるようなことしてませんよっ…」
くごもる真希の声。
有川光瑠、デレスイッチオン──の瞬間である。
「ん…んん…まぁ…
そうだがっ…」
そう言いながら、光瑠は真希の長い髪を愛しげに撫でた。
「もぉ…」
真希は光瑠から少し離れると、また上目遣いでじっと光瑠を見つめた。
甘い雰囲気が流れ始めたその瞬間。
ドンッ!
と激しい音がなって真希と光瑠は身体をびくつかせた。
「全く!
あなたたちはもう少し僕に配慮すべきだ!」
机にはまたさっきとは別の長い足が乗っている。
普段は怒らない要が少し強めにそう発すると、真希は我に返ったように慌てて光瑠から離れて、すみませんと要に頭を下げた。
「真希さん!
僕が妬いてないと思ったら大間違いだ!」
要が少しきつめな口調でそういうと、光瑠は、ニヤリと口角を上げ得意気な顔をして要を見つめた。
「ごっ…ごめんなさいっ…」
いつもと違うイライラとした要の雰囲気に真希はオロオロとしながら、席に座る。
「はぁっ…!遅れてしまって申し訳ありませんでしたぁっ!」
部屋の空気が変わったその時、酒田が勢いよく扉を開いて肩で息をしながら頭を下げた。
七三に撫で付けられた髪型は健在である。