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◇なななの短編◇
第4章 2013年2月9日(近くて遠い)
私はマグカップをテーブルの上に置いてゆっくりと隼人を抱えた。



わぁ…重くなった…



脱力しているのもあるかもしれないけど…

やはり、隼人はいつまでも子供じゃない…


ベッドに寝かせながら、やっぱり少し寂しい気持ちになった。


「真希さま…」


トンっと肩を叩かれ後ろを振り返ると、古畑さんが戻ってきていた。


何だか目に見えてワクワクしている。


こんな風に古畑さんがなるのは、光瑠さんをからかっているときくらいだから、稀な現象だ。



隼人のベッドから離れて再びソファーに座ると、古畑さんは、少し焦らしながら、私に一枚の写真を渡した。



スケート靴を履いている少年は、氷の上で座っている…というか尻餅をついたのかな?


年は多分隼人と同じくらいだ。


すっごく不機嫌そうなのにどこか、今にも泣きそうな表情をしてる。


茶色よりも薄い髪に…

女の子みたいな整った顔…

肌は真っ白で…雪の中にいるからか…幻想的で…


「もしかして…っ」


目を見開いて古畑さんを見つめると、古畑さんは、コクンと頷いた。
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