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◇なななの短編◇
第4章 2013年2月9日(近くて遠い)
いつも怒っている人の笑顔がこんなに怖いなんて…


「あっ…」


ついに掴まってギュッと抱き締めれる。



「真希…かわいいな…本当に…堪らない…」



出たっ…かわいい連呼攻撃…


そして


「……んんっ…んふっ…」


キスの…嵐────


「うっ…光瑠さんっ…お酒くさいっ…」


こっちまで酔ってしまいそうなほどの香り


光瑠さんは私を揺れる瞳でじっと見つめた。


「……何故…そんなにかわいい…」


「っ……」


そんなにまじまじ見ながら言われると、お酒のせいだと分かっててもドキッとしてしまう。


「…真希……お前以上にかわいいやつはいない…」


「わっ、分かったからっ…もういいですっ…」


「分かった…?一体何が分かったんだ…」


切なげな瞳に胸が苦しくなる──


どうも、こういう直球で甘い光瑠さんは苦手だ…


「この…お前をかわいいと思う気持ちを…そんなにすぐ分かられたら困る…」


っ…恥ずかしいっ…


止まらないキスに抵抗出来ずにいると、首筋に突然舌が這ってビクンッと身体が震えた。

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