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◇なななの短編◇
第1章 有川商事より読者様へお願い
「東京都在住の19歳、奈々…とかいう携帯小説作家です。」



「聞いたことないなぁ…」


溜め息交じりに要は言いながら、長い足をようやく降ろした。



「俺も知らん。」


光瑠も要の言葉に同調し、背もたれに寄り掛かって腕を組んだ。



「あっ…私、知ってるかもっ…」



真希の言葉に一同が声を上げ、一斉に真希を見た。



「なんだ?
お前、携帯小説なんか読んでるのか?」


光瑠が真希の顔を覗き込む。


「たまに…ですけど…」



「へぇ、まさか、真希さんがご存知だとは…


それで、ですね…。
話を元に戻しますと、その奈々さん、有川社長と関根副社長の大ファンらしくてですね…
今後お二人を登場させた物語を書きたいので、その参考資料としてアンケートを実施してほしい……

ということです。」



スクリーンに概要を写し出しながら、酒田が説明した。



「大ファン…」



真希はそう呟いて、光瑠と要を交互に見た。




最近馴れてしまっていたけど、この二人の容姿はタイプこそ違うが確実にイケメンに分類される…


ファンがいてもおかしくない…



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