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◇なななの短編◇
第6章 バレンタイン(近くて遠い)
────────…


「ふふっ」


「なに笑ってるんだっ!」


突然笑い出した真希に光瑠は照れを隠すように怒鳴った。


言えない…


とんでもなく嬉しい…とは。


ただ気になることが一つ。


「……関根にも渡すのか」


「あ、はい。」


「っ!?何故だっ…俺だけでいいだろがっ…!!」


「でもお世話になってますから…」


腹が立つ…


光瑠はイライラしながら、真希を睨み付けた。


「ならあいつが勘違いしないように、でかく“義理”と書けっ!!」


「えぇっ…そんな…きゃあっ」


たじろぐ真希を光瑠は再び押し倒した。


「そして俺のチョコレートには“光瑠さん、愛してます”と書け、分かったな」


「……………」


「───そして関根がいる前でそれを俺に渡せ」


「光瑠さん………心狭い…」


イラッとした光瑠さんは強引に真希の唇を奪う。


そして軽く唇が触れる位置で真希を睨み付けた。


「関根に渡すことを許してるんだ、俺以上に心の広い男はこの世にいない!」
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