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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet

長い足がドアから覗く。

黒髪が爽やかに靡いたと思ったらにっこりと優しい笑顔が私たちに振りまかれる。



「かにゃめしゃーーん!!!!」



スタスタスタスタと勢いよく走り出した望は、そのまま要さん目掛けると、寸前で手を大きく広げた。



「おぉ、望ちゃん」



優しい笑顔をこれでもかと要さんが緩める。



光瑠さんは完全なる親バカだけど、要さんも相当望に甘い。



要さんは望のその小さな身体をいとも簡単に持ち上げ抱え込むと、今度は私たちに顔を向け、微笑んだ。



「お疲れ様です」


「なんとか誤魔化して会社から出てきました。どうです?準備の方は」



「隼人が大分手伝ってくれたので……」




私は同じように微笑み返すと、装飾された部屋を見渡した。





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