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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
Happy Halloween!!
という装飾から垂れる紐を隼人が握った。
「っ……」
シュッと紐を引っ張ると、Halloweenの文字がパタンと折れる。
「かにゃめしゃん、あれなにぃ?」
「うん? あぁ、Happy Birthday……。 今日はパパの誕生日だからね?」
そう……今日は、ハロウィーンであり……、光瑠さんの誕生日なのだ。
「分かった?」
そんなの痛いほど分かってるけど……。
「それにしてもハロウィーン生まれって、本当、社長らしいというかなんというか……」
「本当だよね!」
ケラケラと笑う隼人の声を聞きながら、私は再びメイド服を見つめた。
「お気に召しませんでしたか……?」
そして追い討ちを掛けるように、愛花ちゃんの涙目……
「ううん……。 とっても素敵。ありがとう、着るね!」