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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
「それを着て、あなたが、トリックオアトリートなんて言ったら、社長はいたずらされることを選びそうですけどね……」
「や、やめてください! 望の前です!」
私は、要さんに降ろしてもらって今度は私に抱っこをせがむ望の耳を塞いだ。
「やぁーーー! はなしてーー!!」
ジタバタとする望にお構い無しで私は要さんを見つめる。
「はて、何がいけなかったのか」
目を軽く見開いた要さんはクククと笑った。本当、教育に悪いったらありゃしない。
「ほら、次の説明するよー!」
あ、そうだった。
まだ隼人の作戦の説明の序盤……。
「ごめんごめん」
要さんが謝ると、隼人は咳払いをして、再びペンを握った。
「そして、お姉ちゃんはニヤニヤする光瑠に、残念だけど、のんちゃんが風邪引いてるってことを伝えて」
「のんげんきだよーーー!!」
隼人の言葉に再びジタバタとする望の頭を隼人が撫でる。