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王子と専属メイドの戯れ
第3章 昼休み
カーーーーン
カーーーーン
カーーーーン



わたしが言った直後、昼休みの終わりを告げる鐘が鳴り響きました。



「はぁ…っ…はぁ……はっ……はぁ……」



わたしは呼吸も浅く、酸素の行き渡らない頭でそれを確認しましたが、わたしの意識はほとんど光騎さまにとらわれていました。



羞恥の行為をしている現実が、まるで夢のような心地でした。







「……よく出来ました」



わたしの首元から顔をあげて、左胸からも手を離した光騎さまは、静かにそうおっしゃいました。



そして、光騎さまはふんわりと柔らかく微笑み、わたしの頭を撫でました。



ほ、褒めて下さった…
しかも頭を撫でて…



わたしの体全体に幸福感が広がっていきます。



すごく恥ずかしかったけど、言って良かった……



わたしはつられて微笑みました。


光騎さまの長い指と大きな手のひらが頭に触れると、なんともいえない安心感があります。




「よし、里音。教室に戻ろう」



そうおっしゃって、わたしから離れると、片付けをなさろうとします。



「い、いけませんっ!わたしが片付けますから、光騎さまは先にお戻りくださいっ」




わたしが慌てて言うと、光騎さまはフッとわたしを笑いました。


「里音は、まず、身支度を整えろ」


わたしはその言葉にハッとしました。



制服が開けっ放しなのを、忘れていました…。



「はっ…はいっ!!」




わたしが慌ててボタンをとめはじめると、光騎さまはテーブルの上の片付けを手伝って下さいました。



光騎さまにお仕事をさせてしまうなんて…っ
専属メイド失格です…




最後のリボンを急いで結び、わたしは立ち上がりました。



「光騎さまっ!ありがとうございます。あとはわたしが」




テーブルの上のものを専用のケースに戻していただいていた所でした。


光騎さまはその手をとめて、わたしの頭の上にまた暖かな手を乗せました。



ドクンッ



心臓が跳ねました。




そして、耳元に顔を寄せて、一言こうおっしゃいました。



「里音……よかったよ」




えっ?!?!?!




わたしは顔から湯気が出たんじゃないかと思います。


光騎さまは頭から手を下ろし、そのまま手を振ると光騎さまは先に校舎に向かっていきました。
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