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王子と専属メイドの戯れ
第8章 宿題
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「里音…」
光騎さまが、固まってしまったわたしの頬に優しく手を当てます。
電子辞書に釘付けになっていたわたしは、その手の平の温もりにじんわりと安心していきました。
「…西園寺に何をされた?」
その瞳は先ほどの深い表情の読み取れない目とは違い、いつもの、優しい瞳でした。
「あ……」
思わず、されたこと全て、話してもいいのではないかと、口を開きました。
defyの意味を知って、もしこの意味を知っていて、わたしが抵抗をしなければ、わたしはどこまでも西園寺さんの言いなりになっていたかもしれません。
そう考えて、怖くなりました。
その恐怖心を溶かす光騎さまの手の平が、わたしを甘やかすのです。
しかし、光騎さまの凛々しく、美しいお顔を見て、わたしはすぐに考えを改めました。
「…わたしが書き忘れた板書を、書こうとしてくれたんです」
「…え?」
「勝手に書かれそうになって、驚いて抵抗したから、そう書かれたんでしょう。でも、わたし意味が読み取れなくて、西園寺さんを呆れさせてしまいました」
光騎さまは少し驚いたように、目を大きくしてわたしを見下ろしました。
わたしはニッコリ笑います。
「心配かけてしまって、申し訳ございません」
そう笑って、頬に添えられた光騎さまの手に自分の手を重ねました。
「…里音…」
光騎さまは小さくつぶやき、わたしを見つめます。
きっと、こんな話、光騎さまは疑わしく思うでしょう。
でも…わたしのせいで光騎さまを穢させませんっ!
わたしは光騎さまを真っ直ぐ見つめました。
光騎さまが、固まってしまったわたしの頬に優しく手を当てます。
電子辞書に釘付けになっていたわたしは、その手の平の温もりにじんわりと安心していきました。
「…西園寺に何をされた?」
その瞳は先ほどの深い表情の読み取れない目とは違い、いつもの、優しい瞳でした。
「あ……」
思わず、されたこと全て、話してもいいのではないかと、口を開きました。
defyの意味を知って、もしこの意味を知っていて、わたしが抵抗をしなければ、わたしはどこまでも西園寺さんの言いなりになっていたかもしれません。
そう考えて、怖くなりました。
その恐怖心を溶かす光騎さまの手の平が、わたしを甘やかすのです。
しかし、光騎さまの凛々しく、美しいお顔を見て、わたしはすぐに考えを改めました。
「…わたしが書き忘れた板書を、書こうとしてくれたんです」
「…え?」
「勝手に書かれそうになって、驚いて抵抗したから、そう書かれたんでしょう。でも、わたし意味が読み取れなくて、西園寺さんを呆れさせてしまいました」
光騎さまは少し驚いたように、目を大きくしてわたしを見下ろしました。
わたしはニッコリ笑います。
「心配かけてしまって、申し訳ございません」
そう笑って、頬に添えられた光騎さまの手に自分の手を重ねました。
「…里音…」
光騎さまは小さくつぶやき、わたしを見つめます。
きっと、こんな話、光騎さまは疑わしく思うでしょう。
でも…わたしのせいで光騎さまを穢させませんっ!
わたしは光騎さまを真っ直ぐ見つめました。
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