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第10章 深まる

先生は何もかもお見通しなのだ。

わたしが、意地悪に挑発してくる先生よりも、

余裕のない先生の方に煩悶してしまうことなど、きっととっくに見透かされているのだ。


――ずるい。

先生は、ずるい。


今与えられているキスだって、

最初はあの朝のようなほろ苦さを含んでいたのに、

次第にそれは消え、先程のような濃厚さを纏い始め、

今となっては、初めて先生に口づけをされた時のような激しさが増してきた。


こんなに目眩く変わって、だんだん深まっていくようなキスを、わたしは知らなかった。


これからも、これ以上の口づけを知ることなど永久にないのではないか、と思った。

これ以上など、知らなくてよい、とまで思った。


やがて、先生は名残惜しそうにゆっくりと唇を離した。

そして、そろそろと秘部のあわいへと指を割り入れた。

｢あぁ…っ｣


｢こんなにぐしょぐしょ…

…ごめん、本当今日余裕ない｣


そう言って先生は、膨らみを親指の腹で擦りながら、

蕩けきった秘部に舌を這わせ、蜜を舐め取った。