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余熱
第10章 深まる


初めて耳にした、先生の苦しげな声。


ひどく官能的に、

耳に、体に、

――心に、

沁みてくる。



「…っ葉月…

力、抜いて…っ」



――ああ、そんな声で、

言わないで。

呼ばないで。


再び勘違いしてしまう。


先生は、わたしを愛しているのではないかと。



わたしは、先生を愛しているのではないかと――。



律動が始まる。


引いては、押し寄せ、

引いては、押し寄せ…


さながら波のようだった。


波が、わたしの奥を砕いて、泡立つ。


「あぁ…っ、んあぁ…んっ、先生…っ」


先生の左腕がそろそろと動いたかと思うと、

先ほどまでの寵愛の余韻にまだ赤らんでいる膨らみを、先生の指先が引っ掻いた。

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