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余熱
第11章 横切る

心の中に雨雲が広がっていく。
昨夜の錯覚を思い出す。
何度も、名前を呼んでくれたのは、
何度も、奥に熱を刻みこむように腰を打ち付けたのは、
たとえあの時だけでも、先生はわたしのことを好きで、
大切に思ってくれていたからではないの?
愛情、
そんな綺麗な感情じゃなくていい。
もっと、曖昧で、わがままな感情でいい。
だから、
だから…
わたしのこと――。
枕がじわりと濡れるのを感じた。
いつの間にか泣いていた。
――ああ、わたし、
先生のことが好き…。
どうしようもないくらい、
涙が溢れて止まらないくらい、
先生のことが好き……。

