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余熱
第11章 横切る

「えっ、待っ…」

狼狽える口は呆気なく塞がれた。

以前祐に初めてされたキスよりも、ずっと荒々しいキスだった。

息づかいの忙しなさから伝わる余裕のなさ、

唇や舌や唾液の温度、

そして、唇同士が僅かに離れた時、

「ごめん、

もう待てない」

と言った低く掠れた声––。

祐が突然与えてきたその何もかもに、

わたしの心臓は、ばくばくと恐いくらい激しく鳴っていた。

熱くて、苦しくて、勝手に涙が出てくる。

すると、祐の唇がふっと離れた。

わたしは濡れた瞼をゆっくり開いた。

祐の瞳が揺れ、その奥が暗く、曇っていくのが、

わたしのぼやけた視界の中に浮かんでいた。


「…ごめん」


外の蝉の鳴き声に掻き消されてしまいそうな声だった。


「優しくするから、

お願いだから、

泣かないで」


そう請いながら、祐の唇はわたしの唇から顎、首、鎖骨へと下りていく。

噛み付くような刺激はなく、舌でわたしの体を微かに濡らしていく。

襲われるような、全身を突き抜けるような激しい快感ではなく、

満たされるようなゆるやかな快感が、

つま先からじわ、と少しずつ上ってくる。

そして、初めて胸への愛撫を受けた。

先生は確か触ったり舐めたりしてくれなかったと思う。

先生からの仕打ちは、快楽の海に無理やり引きずり込むようなものだったから、

秘部への執拗な愛撫へと到達するまでの記憶は、あまり鮮明ではない。

初めて感じる乳房や乳首への感触に、息が乱れる。


「すごいドキドキする…」


そう甘く呟きながら、祐は舌先で乳首の先を溶かすように舐めた。

いつのまにか蝉時雨が止んでいた。

部屋は薄暗くなり始めた。

二人の浅い吐息が交ざり合い、静まった部屋を満たしていた。

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