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余熱
第4章 滲みる
「…はい、では今日の授業は終わります。お疲れ様でした。」
ーーああ…終わってしまった…
ついにこの時が訪れてしまった…
これから…先生と…二人きり…
果たして耐えられるんだろうか…
授業前に見た他の生徒と話す先生も、さっきまでの授業も、別にどうってことはなかった。
問題は、どうやらわたしだけに向けるらしい視線と態度なのだ。
ーーわたし、何かしたっけ…
確かに、先生の授業を四回中二回も休んだのは悪かったと思う。
でも、わたしの前でだけちょっと違う先生になるのは、その前からだ。
転んだ先生を見て吹き出しちゃったこと、まだ根に持ってるのかなぁ。
「森さん」
そんなことを考えていると、不意に名前を呼ばれて、思わずびくっとしてしまう。
「はっ、はい」
そして、また電話の時みたいにふっと笑われる。
「この教室でしよう。ちょっと待ってて。」