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余熱
第4章 滲みる

電話した時みたいに、また自分の状態を言い当てられた。

「なっ…そういうわけじゃ、」

否定しようとする言葉を、甘い声が遮る。



「熱くて…苦しい?」



息をのむことしかできなかった。


顔を上げてしまったのがだめだった。


また、あの視線が突き刺さる。


目を逸らすことが出来ない。息が出来ない。言葉を発することが出来ない。


心臓だけが自由を奪われずに暴れていた。



「…どうしてか、分かる?…どうして、そうなるか。」



分かりません、この六文字すら言えない。


首を横に振ることしかできない。


すると、スカート越しの太腿に、何かが這うような感覚があった。


机の下をおそるおそる覗くと、


先生の指示棒の先がわたしのスカートの上を、ゆっくり動いていた。



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