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余熱
第4章 滲みる

指示棒の先は、左膝からじわじわと脚の付け根の方へ上がってくる。


上に上がってくればくるほど、ぞくぞくする。


反射的に目をぎゅっとつぶってしまう。体が震える。吐く息が乱れる。



「…苦しくはないでしょ、今」



確かに、そうだった。あの心臓の苦しみはない。


「…ほら、手止まってるよ、解いて、次の問題。」


視線から解放される。指示棒の先は膝へと下がっていく。


わたしが問題に取り掛かってしばらくして、

また左膝に指揮棒の先が触れ、ひやっとした。


ーー何でこんな悪戯されなきゃいけないの…!


全然問題解けないし、このままじゃいつになっても帰れない。


抵抗しなきゃ、抵抗しなきゃ、

そう思っているのに、体が言うことを聞いてくれない。声が出せない。


そして、その指揮棒の先がスカートの中に侵入してきた。


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