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余熱
第1章 崩れる

徹夜した日の朝特有の気持ち悪さに見舞われ、朝食を抜いて学校へ向かった。
体の奥の熱は時間とともに収まったようだけど、完全に消えてはいない。
何か、をもらってしまったようだった、あの瞬間に。
先生が眼鏡をかけた、あの瞬間に。
…眼鏡に萌えるんだっけ、わたし。
いやいや、そんなことはない。
高校生になってからはコンタクトにしたけど、祐は中学生の頃授業中に眼鏡をかけていた。
でも特に何とも思わなかった。
それともギャップに萌えた?
いやいや、優しくて、柔らかい雰囲気を持つ祐は、中学ではバスケ部のエースだったし、高校に入ってからは軽音楽部でドラムを担当していて、ギャップがあるといえばある。
…一人でいると考え事が多くなるな。
いつもは側に祐がいるから、思ったこと感じたことは素直に祐に話していた。
昨日からこうやって溜め込んでいれば、気もおかしくなるか。
そうだ、祐がいなくてさみしかったから、おかしな気持ちになったんだ。
祐の顔を見れば、この消えない熱も完全に消えてくれるだろう。
祐の存在って大事だ。
『葉月なりの恋愛感情』
沙月の言葉が蘇る。
…そうなのかも。
やっぱり伝えなきゃな。
うまくまとめられないけど、祐ならきっと分かってくれる。
早く祐の顔が見たい。話したい。

