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余熱
第1章 崩れる

祐の帰りを楽しみにしていると、気持ちはかなり軽くなったが、それも1,2時間目までだった。

3時間目、徹夜明け、さらに朝食抜きで体育はやめておけばよかった。

目を開けると、沙月と保健室の先生の心配そうな顔、湿布や消毒薬の匂いーー。

「…沙月…?先生?…あれ、わたし…」

起き上がろうとするわたしを、沙月が遮る。

「もー!葉月ともあろう人が、準備運動の体育館5周だけで倒れちゃうから、ほんとにびっくりしたんだから!まだ寝てなきゃだめ!」

わたし、倒れて保健室に運ばれたってこと?

沙月が言うように、運動は割と得意な方だし、風邪も病気もほとんどかかったことがないから、自分は体が丈夫なのだと思っていた。

わたしも今びっくりしている。

それほどまでに昨日の体験はーー。

いや、祐がいないということはーー。

いやいや、違うか、どちらでもないか。

睡眠と朝食って大事だ。

沙月と保健室の先生に促され、もう少し休むことにした。
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