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余熱
第8章 欲する

いつも凛としている沙月の声が、

今は甘くだらしなく崩れ、

わたしの耳の奥に絡みついてくる。


それだけではなく、粘り気のある水音も耳に響いてくる。


覆いかぶさる白衣にしがみつき、与えられる快楽に身悶え、悦ぶ彼女の姿に、

わたしの体の奥にある熱が、また疼き始める。


きつく閉じた太腿の間が、じんじんと痛む。


「はあぁんっ…!」


一際甲高い声を上げながら、

彼女の白衣を掴む手には力が篭り、うち震える。


「あぁ、すごい、こんなに溢れさせて…ほら。」


どうやら化学の先生は、彼女に試験管を挿れていたらしく、

溜まった体液を彼女の目の前へ運んでから、試験管立てに入れた。


「溢れちゃったから、もう一本ね。」


「いや…っ、先生…っ、もう…」


また空の試験管を挿し込もうとする彼に、彼女は懇願しようとするも躊躇っている。


すると彼は、


「ちゃんと言ってくれなきゃ、分からないよ。」


と意地悪く言い、試験管を彼女に当てがった。
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