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余熱
第8章 欲する

電話を掛けてきたのは、紛れもなく先生だ。

スマホの画面を確認しなくとも、頭で考えなくとも、分かった。


耳が、体が、覚えていたのだ。


「も…っ、もしもし、」


自然と声が上ずる。


「久しぶり。

さっき着信入ってたから、どうしたのかと思って。」

着信?

もしかしたら、寝ている間に間違えて掛けてしまっていたのかもしれない。


「ああ…えっと、あれはその…

間違えて掛けてしまって…すみません。」

視界にじわりと靄がかかる。

涙…何で…


「そう…

ねぇ、」


急に、二人きりの時の声。


心臓が、息が、止まる。



「…もしかして、泣いてるの?」



また、言い当てられた。

何で分かるの?

心臓がきゅうっと締め付けられる。

何も返すことが出来ずにいると、


「やっぱり。…どうしたの?

…俺に会えなくて、寂しかった?」


二人きりの時の声と、そうでない時の声が交互に耳に流れてくる。

その抑揚に酔いそうになる。


「…寂しかったから電話くれたのかと思ったのになぁ。

間違えたのか…。残念。」


そう言う先生に、わたしは何とか声を振り絞って、



「……寂しかった、です…っ」



と、口にした。

自然と目をぎゅっとつぶってしまう。

すると先生は、



「俺に会いたい?」



とびっきりの“二人きりの声”で囁いた。



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