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余熱
第9章 忘れる

それから、葉月とのことを忘れようと、

仕事では、受け持つ授業数を増やしたり、研修に進んで参加したりした。

プライベートでは、水美の家に頻繁に通うようにした。

最初は怪しまれたが、

仕事が忙しく、水美を抱かないとやっていられない

そう告げると、その次からは風呂を済ませて待っていてくれるようになった。

しかし彼女の父が倒れ、入院することになると、彼女は帰郷し、しばらく会えなくなった。

そして仕事の忙しさには次第に慣れ始め、心にゆとりが生まれると、

せっかく忘れることができていた煩悩が、再び呼び起こされた。

葉月からの着信履歴を見直し、発信ボタンを押そうとして、

通りを歩く彼女と村田祐の姿が脳裏に浮かび、思いとどまる。

そんなことが度々あった。

そんな俺の様子に気付いたのか、

ちょうど欲求不満が限界に到そうとしていた時、

下川先生に誘われ、関係がエスカレートしてしまった。

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