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光と首輪、絡まる鎖
第5章 海
光さんに手を繋がれたまま
車まで着くと
「鍵貸して」
と言われ、持っていた鍵を渡した。
光さんはバックドアを開けると
中からバスタオルを出して
髪の毛や体を拭いていた。
わたしは頼まれた
紙皿の入った袋を探していると、
後ろから、背中に何かを掛けられた。
それを見ると洋服で、
光さんの香水の香りがした。
「それでも着とけ」
「でもこれ光さんの、」
「そんな格好で一人で居たら
さっきみたいなやつ来るだろ。
いいから着とけ」
「光さん・・・」
「ん?」
「ありがとう・・・」
「はいよっ」
ポンポンと頭を撫でられ
また涙が出そうになった。
こんなに優しいことしないで。
かっこいいこと、しないで・・・。