この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
光と首輪、絡まる鎖
第8章 誕生日
わたしはずっと光さんのことが好きだった。
だから賢児さんのことが好きだと気付いてからも
賢児さんには「好き」という言葉を
直接伝えたことはなかった。
言うなら、今だと思った。
「賢児さん・・・」
「ん?」
「・・・」
いざ自分の気持ちを言おうとすると
緊張して何も言えない。
「こはる?」
わたしはグラスの中のシャンパンを一気に煽ると
賢児さんの目を見つめた。
「あのね、賢児さん・・・」
「うん、何?」
なんでだろう、
なんで賢児さんを前にすると
こんなに泣いてしまうんだろう・・・
賢児さんはわたしに近付いてくると
わたしの涙を拭ってくれた。