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光と首輪、絡まる鎖
第8章 誕生日
日が傾く前に赤い煉瓦で出来ている建物まで行き、
手を繋いだままうろうろした。
そこは大人の人達がデートを楽しんでいて
お揃いのパーカーで歩くのは
少しだけ恥ずかしかった。
外はもう日が落ちて、赤い煉瓦の建物が
綺麗にライトアップされていた。
「そろそろ帰ろうか」
「うん、連れてきてくれてありがとう」
「また、来ようね」
「うん!」
賢児さんの赤い車に乗って
家までいろんなことを喋りながら帰ってくると、
わたしの家の前で車を停めた。
「じゃあ、またね」
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
家に入ってスマホの電源を入れた。
沙良やみんなにメールを返信した。
部屋に戻ると、
少し日に焼けた光さんのパーカーが目に入った。