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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
「ほら、こはる、水」
「んー、ありがとう・・・」
ペットボトルのお水を飲みながら
外の景色をぼーっと見ていた。
「少し酔い醒ましてから帰るか」
「んー」
光さんは車を発進させた。
しばらく走ると真っ暗な場所に着いた。
「どこー?」
「海。風にでも当たってこい」
「んー」
助手席のドアを開けて外に出ると、
あの日、光さんに抱かれたことを
ふと、思い出してしまった。
ザザーッ、ザザーッ、と
波の音が聞こえて
少し強い風が体に当たる。
光さんがわたしの隣に座った。
「寒くないか?」
「ちょっと寒いー」
「車戻るぞ」
光さんに手を引かれて立ち上がると
助手席のドアを開けてくれた。