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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
「・・・こはる?」
「うん」
「ちゃんと、最初から話すから、聞いてくれる?
こはるにはいつか話さなきゃって思ってたけど、
ずっと恐くて、言えなかったんだ・・・」
「うん、話してほしい。
賢児さんのこと、ちゃんと、知りたい」
ずっと一人で考えても答えは出なくて、
わたしはどうしたらいいのか、
一緒に居たいけど、別れなきゃって思って、
ずっと、ずっと辛かった。
さっきベンチに座る前に離された手が
もう一度繋がれた。
賢児さんのいつもあたたかい手が
今はとても冷たくて、
緊張しているのかなって思った。
わたしも話を聞くのが恐かったし
少し緊張していた。
でも賢児さんのことをちゃんと知りたくて、
賢児さんの手をぎゅっと握った。