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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
ちゅっ、と唇と離すと
「こはるも話して?」
と言ってきた。
なにを?
ぽかーんとしていると、
「先週、光と会った日、
なんでメールも電話もくれなかったの?
俺も行こうかってメールしたよね?」
確かに来ていた。
それは家に帰ってから気付いたんだけど、
居酒屋でメールを送った30分後くらいに
賢児さんからのメールが来ていたみたいで。
でもわたしはその後、光さんに抱かれて
賢児さんのことを聞いて、
泣きながら帰ったから返信しなかった。
「ちょっと呑みすぎちゃって」
「そうなの?なら余計に俺のこと呼べばいいでしょ?」
「光さんが、送ってくれたから、大丈夫」
さすがに海であったことは言えない。
言ったら、どうなるかわからない。
わたしも、光さんも。