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光と首輪、絡まる鎖
第10章 同棲
わたしは賢児さんに抱きつかれたまま
段ボールの中から服を取り出す。
その服を持ち上げた時に、チャリン♪と音がした。
賢児さんはそれを拾い上げて、わたしに渡してきた。
「あ・・・」
それは前にみんなでスノーボードをしに行った時に買った、
みんなでお揃いのオコジョのストラップ。
その鈴の音だったみたいだ。
「賢児さん・・・」
「ん?」
賢児さんからそのストラップを受け取りながら、続けた。
「光さんと、仲直り、しないの・・・?」
少し間があって、賢児さんは小さな声で言った。
「あいつのことを許せって言うの?
こはるはあんなことされておいて、
それでも光のことを許せるの?」
そう言われると辛い・・・。
許せるかと言われたら、
許せないかもしれない。
というより、出来れば会いたくない。
「でも、高校から十年以上も友達なんでしょ?」
「そうだけど、先に裏切ったのは光だよ」