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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった
部屋のドアを開けると、さらに躊躇いは消えていった。
倫理観?罪悪感?
そんなこむずかしい感情は、
不思議と湧き上がってこなかった。
いつも不倫らしき客を目にするたびに、
覚悟しろよ、と偉そうに囁きかけていたけれど
いざ自分がとなると、斜めに見下ろしていた客達と
すっかり同等になっていることに気づいた。
「やっぱり緊張するな・・」
晴樹の声が少し、震えている。
それでもそっと香澄の背中を押し、部屋の中へと誘う。
香澄の足はすんなりと一歩を踏み出し、覚悟の敷居を跨いだ。
晴樹もすぐ後に続く。
ドアを閉めロックをかけると、
ガチャンという音がすべてを了解した。