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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった
「なんかさぁ」
呼びかけるような口調に、アメニティを手に
洗面所から部屋に戻ると、
晴樹がバスローブをベッドの上にひろげてから、
今度はグラスやポットが置いてある棚の前に立った。
「なんかさぁ、これじゃあ
ライバル店の偵察に来たみたいだね。
あれ?ここ、ちょっとホコリたまってるみたい」
わずかだが、淀んだ白さの綿ボコリが
指先の指紋を覆った。
「杉山さん仕事熱心過ぎよ。
そんな事しに来たんじゃないでしょ・・」
見つめている指先を右手で握り、
香澄は自分から身を寄せて、唇を近づける。
香澄の息がかかるくらいの距離まで縮まると
晴樹の唇は、目標を素早くとらえた。
初めて・・
晴樹と唇を重ねる。
香澄の体の芯は、熱で溶かされた鉄のように
ドロリとして床に崩れ落ちそうだった。
その体を両手で抱きしめる。
晴樹の胸に、香澄の鼓動が伝わってくる。
かすかな震えも感じ取ると、オスとしての本能が
一気に走り出す。
香澄の体に手を這わせ、撫で上げ、
それから抱え上げるとベッドへと横たえた。