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HOTEL・LOVE
第2章 理由
重だるそうな腕が提げてきた

小さな布袋から取り出した弁当箱に

香澄が顔を近づける。


はい、と小さくつぶやく晴樹の口元は、

笑っているような

そうじゃないような、

複雑に見える表情を浮かべていた。



「カミさんが作ってくれたけど、

 愛妻かどうかはわかんないです・・」



そうは言っているけど、

蓋を開けるとにっこりと笑った。


なんだ、嬉しいんじゃん・・・



「弁当くらい好きなもん入れてもらわないと。

 こっちは休日返上で

 働いてんだから」



手を合わせ、いただきます、と

弁当にむかって頭を下げる。


なんかだこの男にも

事情があるようだな、と

ご飯をかきこむ口元を見つめて

香澄は想像した。


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