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HOTEL・LOVE
第17章 運命の悪戯
家に帰りつくとすぐに
妊娠検査薬を試してみた。
説明書を見ながら事を進めていく。
そして出た結果が・・陽性、を示した。
陽性・・え・・私・・妊娠、したの・・・?
なぜかブルブルと震えてきた。
この出来事が喜ばしい事なのか、それともとんでもない事なのか・・
あれほど子供を望んでがんばったのに叶わなかった。
なのに、
夫を裏切った途端に形を成すなんて・・まさか・・まさか・・・
晴樹の・・?もしそうだったら・・・
息がうまくできない。
ひきつるような呼吸を繰り返し、やがて涙がこみ上げてきた。
どうしよう・・・どうしよう・・・
いや、待って。
市販の検査薬の結果だけじゃわからないじゃない。
それにあの時ちゃんと避妊だって・・
とにかく明日、病院に行ってみよう。
きちんとした検査を受けて、はっきりとした答えをもらおう。
とにかくまずは、本当に妊娠しているかどうか、それを見てもらおう・・
妊娠検査薬は紙袋に入れ亮太の眼に触れないようにして
ゴミ箱に捨てた。
喜んでもらえる結果だったらいいが、もしぬか喜びだったら。
それよりも・・亮太の子なのかどうか・・
香澄は大きく頭を振った。
今は何も考えちゃダメ・・落ちつかなきゃ・・
すべては明日、病院に行ってから・・
また吐き気がしてきた。
だるさもある。
食事の支度もできぬまま、ベッドに横になり、亮太の帰りを待った。