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HOTEL・LOVE
第2章 理由
「え~!じゃあもしかして・・
月金は本職で
土日のお休みに掛持ちの仕事するの?
おまけに週中の夜にも?」
いやぁそりゃ疲れるわ・・
考えただけでこっちまで疲れてくるよ・・
なんでそんなに働かなきゃならないのよ?
今度は口がへの字になった。
「今どきはめずらしくないけど・・
残業なくされて給料減っちゃって。
それはそれで仕方ないってオレは思うんだけど、
カミさんは違うんだよね。
うち2歳の子供がいるんだけど、
今待機児童とかってほら、
預かってくれる保育所とかないでしょ、だから
カミさんは働きにでれないから
あなたが稼いできてって」
晴樹の口もへの字になる。
やってらんねぇ!
次にはそんな言葉がこぼれてきそうな唇だ。
・・しっかし、そういうの、
鬼嫁って言うんじゃないのかね・・
心の中でつぶやいた香澄の目つきは、
憐みが色濃く出ていたのだろうか。
晴樹は手にしたドーナツを顔の前で振りながら、
「でもオレ、そんなに
深刻に疲れちゃいないっすから」
そうヘラヘラ笑って見せたけど、
カラ元気にしか見えないよ、とますます
香澄は気の毒になった。