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HOTEL・LOVE
第4章 ホテルの中でうごめく・・
時間になると香澄は
晴樹を促がし、
担当フロアへと上がっていく。
最上階である5階まで登りきると、
2人して
ハアハアと切れた息をもらした。
顔を見合わせ笑いながら廊下を曲がると、
ちょうどチェックアウトする客と出くわした。
あっ、と晴樹は一瞬足を止めた。
客もビクリと動きを止める。
そこに香澄の声が割り込む。
「ありがとうございました」
ほんの少し頭を下げ、
客の横をすり抜ける。
若いカップル。
20代前半くらいで、
男にも女にもあどけなさが残る。
ありがとうございました、と
消え入るような女の子の声が
後ろから聞こえた。
晴樹はさすがに言葉が出ない。
頭を下げるのが精いっぱいのようだった。
香澄の後に続いてリネン室に入ってから、
大きくひとつ、息を吐いた。
「あ~ビックリしたぁ」