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HOTEL・LOVE
第6章 晴樹の揺れ
家に帰りついた時、時計の針は
11時を少し過ぎたところだった。
6時半から10時半まで、と半端な時間も
受け入れてもらえるこの職場。
おまけに家まで電車一駅だし。
いい副業見つけたぜ。
それに笹木さんみたいな・・
そこで口元がニヤリと上がった。
それを見ていたらしい。
妻の友里が腕を掴んだ。
「なぁんか、楽しそうじゃない。
ラブホテルって、やっぱオモシロいの?」
その瞬間、
自分でも驚くほど体がビクついた。
仕事はおもしろいのか、と聞かれただけなのに
香澄の存在を悟られたような気がして・・
「なによ、どうしたの?」
「いや、別に・・ああ、オモシロいよ。
でもまだ慣れないから疲れるけどな・・
風呂、入ってくるよ」
なぜだか今、
友里と目を合わせたらいけないと
本能的に指令が走る。
そのハッキリとした理由は自分でもよくわからない。
もしかして、あれか、
やっぱり・・
笹木さん・・・?