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HOTEL・LOVE
第10章 震える目撃
リネン室に身をひそめるようにして
2人はモニターを見ながら
備品の補充で時間をやり過ごしていた。
サービスでついているコンドームは減りが早い。
いつも在庫が置いてあるはずの位置には
わずかに入っている一箱しかない。
これは事務室まで取りに行かねば。
「オレ、とってくるよ」
「あ、じゃあお願い。
置いてある場所わからなかったら
フロントの山田さんに聞いてね」
「りょうか~い!」
晴樹はリネン室から出ると、
足音を忍ばせるようにして階段を下りていく。
1階まで降り、ちょうど顔を合わせた
フロント係の山田雪江に在庫をもらい、
またすぐに階段を上がっていく。
香澄の待つ5階まで一気に階段を上がる。
少し切れた息をととのえてから
廊下を歩きだす。
角を曲がろうとしたその時、
向かう方向にある部屋のドアがあいた。
晴樹は慌てて身を後ろに引き戻し、
角から客の動きを見守った。
・・う、ウソだろ!・・