この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
悪戯な思春期
第2章 重ねた王子様は微笑んで

 西は、やはり瑠衣が選びそうなアクセサリーをつけては外し、瑠衣スマイルを浮かべていた。
(これってデートって言えんの?)
 そう思いつつも、滅多に来れない専門店を私は満喫していた。
 新春セールから更に値引いて買った三点は、先ほどの3つ。
 大はしゃぎの私は西の顔をみて平常心を取り戻す。
 彼はとても冷ややかな目で私を見つめていたからだ。
(引かれたかなぁ)
 西は吸血鬼をモチーフにしたバンダナだけ購入した。
 今年のハロウィンで瑠衣がつけそうだ。

 ショップを出ると一時を回っていた。
「コーヒー飲める?」
「ブラックなら」
 何故か私はコーヒーに何かが混ざった時点で飲めなくなる。
 純粋な味が存在するというのに、わざわざそれを消してしまうのが理解不能だった。
 西は軽井沢に来慣れているのかもしれない。
 若者が集う喫茶店に案内してくれた彼を見て言った。
「天草ってさ……V系とか好きだろ」
 喫茶店までの短い道中西が言った。
(そりゃもう瑠衣様が)
「よくわかったね」
「理想は瑠衣だろ」
 返事が出来なかった。

 今朝からの私の態度を見て言っているのか、それともただの推測なのか計り知れない。
 私は肯定も否定もせず、彼の傍らで固まった。
「ついてきてくれてありがとう」
(あぁ……彼の次の言葉は)
「言ったろ? 瑠衣になりたいって」
「どういう……意味?」
 西はフッと含み笑いをして、喫茶店とは逸れた道の橋に連れ出した。
 木々の中で、私を見つめると不意に両肩を掴んだ。
 瑠衣の両目が鼻の先にある。
「俺、さ……」
 まただ。
 思わせぶりな間を空ける。
/100ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ