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悪戯な思春期
第5章 キャストの揃ったお城
体育館から出て、近くの自転車置き場の陰に連れられる。
人はいない。
「まさっ……ん」
雅樹は止まると同時に唇を重ねた。
両頬に手を添えられ、動けない。
好きに咥内を弄られ、舌先が痺れる。
「ふ、んむ……ッッ……く」
ギュッと目を閉じて従う。
汗の匂い。
熱い胸元。
雅樹は軽く上唇を吸い、離れた。
「約束は?」
「うん! 覚えてる」
彼はクスっと笑い、私を抱き締めた。
ギューッと。
痛いくらい。
私も手を回す。
血流が感じられる雅樹の背中に、そっと手を這わす。
「最高に格好良かったよ」
額にキスされる。
「でも、何回か見逃したよね?」
ビクッ。
図星を突かれ俯く。
しかし、雅樹は顎に手をかけて上を向かせた。
「見逃したよね? 俺のシュート」
「あ……ごごごめん!」
「許してあげない」
雅樹は手を下に下ろしてゆく。
お尻に来たところで私は飛び上がった。
「ま、雅樹。ここ、ここっ外だよ」
スーッと指でなぞられる。
「知ってる」
「ひッッ……ん待っ、ぁあ」
しがみつく形で耐える。
もう一方の手は胸を撫でている。
「だ、駄目だってッッ……こんなとこ、誰か来る」
「どこまですると思ったの?」
パッと手を離した雅樹は、余裕げに微笑んだ。
悔しい。
私は真っ赤になって顔を隠す。
期待してた。
そうだよ、期待してた。
試合中も、雅樹の濡れた体に夢中だった。
「あのさ、一つ訊いて良い?」
「ナニ?」
私は気になってたことを尋ねる。
「瓜宮と全国行ったの?」
雅樹はちょっと眉をしかめた。
「試合の間、それが気になってたってワケ?」
「ちがっ」
「行ったよ。A、Bで別れてね」
息、合ってたのかな。
合ってたんだろう。
だって、さっきのリバウンドを決めた連携はそれを物語ってたから。
「次は一時間後なんだ」
雅樹がニイッと笑う。
寒気がする。
「……今なら、誰も来ない教室あるよ?」
断る術も、理由も無かった。