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色絵
第6章 開花
先生の絵に傘をさすようにして屋敷に入り、アトリエに絵を置いて戻る。

扉を開けると先生がテーブルごと運んでいたので傘もささずに手伝う。

「貴女まで濡れてしまったね。衣装部屋にタオルがあるから、」

先生がタオルを出す。

「先生の方が濡れてます。」

渡されたタオルで先生の髪を拭いた。
すると先生がもう1枚でワタシの髪を拭いた。

先生の肩が震えている。

「冷えたんじゃないですか?」

ワタシは先生に抱きついた。体が冷たくなっていた。

「先生の着替えもここにあるんですか?」

「ああ」

ワタシは先生の帯をほどき始めた。

「貴女も…」

先生がワタシのスカートを脱がす。
そうして、互いの服を脱がせあった。


突然の雨だった。

庭の芍薬の蕾が、明日には少し開くのではないか…という状態なのを見つけた。

今しか描けない瞬間。
庭用の支度をして色紙に描き始める。

もう少しというところで、雨が降りだす。どうしても仕上げてしまいたかった。

突然、雨が止む。いや貴女が傘をさしてくれたのだ。

なんとか仕上がるが2人ともびしょ濡れになってしまった。
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