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色絵
第7章 満開
その晩、主人は遅くなり、連絡もないので自分だけ食事を済ませて、新品の画材でレッスンした。

青い夏ミカンは、所々黄緑になっていた。

下絵を描きあげて、一息入れる。どうやらそのまま眠ってしまったようだった。


ぐらぐらと揺れる。

「地震?」

「飯温めてくれよ。」

「あっ、すみません…」

主人が帰ってきたのだった。


「疲れてるんなら、片付けて寝てろよ。」

「す、すみません…」

「好きな事して疲れてるなんて贅沢だよな」

「ご、ごめんなさい…」

主人は愚痴っぽくなかったのに土曜以降嫌味ばかり言う。
けなして満足するのだろう。ワタシは謝ってその場をやり過ごした。

今日も求められたら、また色々とケチをつけて乱暴にされる。

食事が終わるまで、前に掛けて、お茶を出したりした。

「あんまり腹減ってないから、風呂入るわ。」

どうやら軽く飲んできたようだ。
吐き捨てるように言い、風呂に行ってしまった。

後片付けをしていると、風呂から出てきて

「ほら寝るぞ」

ワタシを寝室に呼んでいる風だったが、

「道具の片付けとお風呂がまだですから、後で行きます。」



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