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色絵
第7章 満開
「ったく…トロいな…」

そう言って先に寝室に行ってしまった。


片付けをして、怪しまれない程度にゆっくりとお風呂に入り寝室に向かう。

主人はいびきをかいて寝ていた。ホッとしつつも、布団をめくりなるべく離れて眠る。

家での全てが仮暮らしのように思えてきた。


ピピッ、ピピッ

今日から体温を計る。主人は音にも気付かず寝ていた。そして先生の元に向かう為の1日が始まる。

「昨日はいつの間にか寝てたな、お前を抱いてやろうと思ったのに…」

そう言って主人は出かけて行った。

やっぱり、すぐに行かなくて正解だった。

「いってらっしゃい。気をつけて」

作った笑顔で主人を送りだした。


「おはようございます。」

昨日の今日だからか先生は玄関まで出迎えてくださった。

「先生、今日は大丈夫です。」

そして平穏な1日が始まった。




やっと百合の色付けに入る。3日の空きがあり、僕と貴女の間柄もだいぶ変わった。

同じように描けるだろうか…

貴女がアトリエに入ってくる。昼に一度着替えて、また戻って来て着替える。

面倒だと思うが、貴女はちゃんと帯を御太鼓にして部屋に入ってきた。
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