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色絵
第7章 満開

「さて、始めましょうか…」
僕の掛け声に貴女は背を向けて帯を解き始める。
シュルシュルと衣擦れの音だけが聞こえる。
帯がほどけてタラリと下がり、最後の結び目もほどかれた。
帯はたたまれてテーブルに乗せられ、下帯も解かれる。
貴女は着物と襦袢の襟を合わせて後ろに繰った。そしてスルスルと背中から腰骨が露になっていく。
ああ、芍薬の続き絵が再現される。
貴女は袖を抜く前に斜めに体を向けて、届かぬ視線を僕に投げる。
そして袖を抜き、着物と襦袢を手に持って、僕の後ろにある衣紋掛けに掛けに来た。
衣紋掛けを見ながら歩いていたのに、僕の脇を通り過ぎるとき、妖艶な流し目で僕を見やる。
ズクッ…その色気に全身が奮い立つ。
百合の着物の襟を右手につまみ、僕の脇を通る。裾を開いた着物を従え、ゆっくりと足を進める貴女に、高いポックリ下駄を回し歩く花魁の気品が漂う。
そして今度は、通り過ぎてからチラリと後ろを向き、流し目を寄越すのだ。
ワタシは歩けるのよ。逃がしたくなかったら追いかけなさい。
そんな風に去っていくのだ。僕はグッと拳を握る。
思わず呼び留めたくなる色香だったから…
僕の掛け声に貴女は背を向けて帯を解き始める。
シュルシュルと衣擦れの音だけが聞こえる。
帯がほどけてタラリと下がり、最後の結び目もほどかれた。
帯はたたまれてテーブルに乗せられ、下帯も解かれる。
貴女は着物と襦袢の襟を合わせて後ろに繰った。そしてスルスルと背中から腰骨が露になっていく。
ああ、芍薬の続き絵が再現される。
貴女は袖を抜く前に斜めに体を向けて、届かぬ視線を僕に投げる。
そして袖を抜き、着物と襦袢を手に持って、僕の後ろにある衣紋掛けに掛けに来た。
衣紋掛けを見ながら歩いていたのに、僕の脇を通り過ぎるとき、妖艶な流し目で僕を見やる。
ズクッ…その色気に全身が奮い立つ。
百合の着物の襟を右手につまみ、僕の脇を通る。裾を開いた着物を従え、ゆっくりと足を進める貴女に、高いポックリ下駄を回し歩く花魁の気品が漂う。
そして今度は、通り過ぎてからチラリと後ろを向き、流し目を寄越すのだ。
ワタシは歩けるのよ。逃がしたくなかったら追いかけなさい。
そんな風に去っていくのだ。僕はグッと拳を握る。
思わず呼び留めたくなる色香だったから…

