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色絵
第7章 満開
「先生…

次はワタシそのものを描いてください。」

午後、白い着物を纏い先生に話す。

「ちょっと見てもらいたいものがあるんですよ。」

鏡の隣にある扉から先生が居なくなる。
どうやら衣装部屋の裏側にあたる部分の部屋に繋がっているようだった。

先生が葛のようなものを持って戻ってくる。

「日本人て恥の文化、性に疎い民族と思われがちですけどね。

上手く伝承されていないだけなんですよ。」

葛を開けて巻物をテーブルに置かれる。

浮世絵。

ただ、私達が目にするようなものではない。

茶碗を盆に載せて歩く女性の着物をはしょり、
後ろから、同じように着物の合わせだけを捲り、女性を後ろから抱いている絵だった。

男根が異様に強調されて描かれていて、女性は背後の男を尻肉の間にしっかりと迎え入れている。

女の太ももには、どちらのものかわからない液体がつたっている。

女は下唇を噛み悔しそうで、でも迎え入れた悦びも賞味しているような、微妙な表情をしていた。


絵の下に文字が書かれているが、崩し字は読めない。

「『間男』という題名がついている作品なんですよ。」
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