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色絵
第2章 入門
「着物は一人で着られますか?」

「はい…大丈夫です。」

「良かった。生け花でも着物を身に付けますもんね。下着は全て外してから、長襦袢を着てくださいね。」


「えっ…」

「生け花では、そうではないのですか?
元々着物は素肌に身に付けるものです。
今の西洋の下着をして着ると、着物の美しさが損なわれてしまいます。

それに、肌は透けないようにしっかりと仕立てられていますが、下着の色は意外に透けるもんなんですよ。

それでは、無色にならないので、直接肌にお召しになってくださいね。

手前から着ればよいように並べてありますから…」


「は、はい…わかりました。」

「僕も下着はつけていないですよ。」

先生は、ゆっくりと1回転する。
踊りもできるのだろうか…舞のような美しい仕草だった。

「透けていますか?」

「あっ…いえ、大丈夫です。」

思っていることが伝わり過ぎて恥ずかしい。

「では、着替え終わったら仕事場に来てください。
あっ…内側から鍵かけられますから、」

先生が部屋を出ていった。

逆に鍵をかけるべきかと考えてしまう。
結局、かけずに着物をチェックする。
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