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色絵
第2章 入門
「貴女となら長くやっていけそうだ。少し休憩しますか?」
「はい。」
先生が珈琲を入れる。
「先程もお話ししたように、絵に決まりはないのです。ですから、こうしなさいというようなレッスンみたいなことはしません。
僕の真似をする必要もありませんよ。
楽しく見て感じたままを描けばいいのです。」
先生が立ち上がり、本棚から色紙を持ってきた。
「これが見たかったのではないですか?
いや、僕が見て欲しいと素直に言うべきですね。」
優しい笑みで、色紙を渡される。
先日まで飾られていた桜の花の絵だった。
枝に使われている絵の具は何だろうか…
「油絵用の絵の具ですよ。」
また、先生がワタシの心を読み取った。
「先生、どうしてワタシが考えていることがわかるんですか?」
「心理学は習っていませんよ、僕は画家ですから…」
クスクスと笑う先生。
益々不思議で何も言えないワタシ…
「観察力ですよ。貴女が分かりやすいのもあるけれど、
貴女の視線を見れば、貴女が何を見ているかわかる。
貴女の表情を見れば、何を考えているか想像できる。」
「そんなに分かりやすいですか…」
「はい。」
先生が珈琲を入れる。
「先程もお話ししたように、絵に決まりはないのです。ですから、こうしなさいというようなレッスンみたいなことはしません。
僕の真似をする必要もありませんよ。
楽しく見て感じたままを描けばいいのです。」
先生が立ち上がり、本棚から色紙を持ってきた。
「これが見たかったのではないですか?
いや、僕が見て欲しいと素直に言うべきですね。」
優しい笑みで、色紙を渡される。
先日まで飾られていた桜の花の絵だった。
枝に使われている絵の具は何だろうか…
「油絵用の絵の具ですよ。」
また、先生がワタシの心を読み取った。
「先生、どうしてワタシが考えていることがわかるんですか?」
「心理学は習っていませんよ、僕は画家ですから…」
クスクスと笑う先生。
益々不思議で何も言えないワタシ…
「観察力ですよ。貴女が分かりやすいのもあるけれど、
貴女の視線を見れば、貴女が何を見ているかわかる。
貴女の表情を見れば、何を考えているか想像できる。」
「そんなに分かりやすいですか…」